1922年(大正11)6月4日
六月四日 日曜日 晴 起床六時 就眠十一時
人間は死を恐れる程強いものはないと思う。
その恐ろしさのため迷信をも信じる様になるのだ。
そして、私達の様に親兄弟によって生きてるものは、自分自身よりもその親、その兄弟の死を恐れるものだと私は思う。
人間は又死によって信仰がほんとに得られる事も真理だと思う。
「人間は死を恐れる程強いものはない」 次行に「その恐ろしさのため迷信をも信じる様になる」と続くので、ここでは「人間は死を恐れる程度に、(それを上回る)強い〈恐怖心〉はない」という意味で解される。
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